新嘗祭(にいなめさい)

三大祭と云う言葉があります。
三つの大祭という意味です。

神社の祭祀=お祭りは、小祭・中祭・大祭の三つに分けられます。
今風にいえばグレード分けされており、それに応じて重要度が小祭・中祭・大祭の順に上がってきます。

今日(11月23日)ご奉仕申し上げた『新嘗祭:にいなめさい』は大祭に属します。
当大神宮の最重儀の大祭は先月10月16日の例祭献幣帛式(れいさいけんぺいしき) です。もう一つの大祭は2月17日の祈年祭(としごいのまつ) があります。
祈年祭は春を迎え、その年一年の米、農作物をはじめとする五穀豊穣と、併せて諸産業の発展と繁栄を祈る大切な祭祀=祭りです。

さて、本題の新嘗祭はザックリご説明するなら、当大神宮など末端のお社では、農作物の収穫と諸産業の振興に感謝申し上げる祭儀ですが、その本質は神様の頂点に立たれる天照大神(あまてらすおおかみ)が高天原(たかまのはら)という神さまの世界で、自ら稲作をされ、収穫したお米を天照大神がご自身以前の神々(祖先)に奉られ、自らも召し上がれると云う神話を起源とします。
つまり、2000年以上の歴史を有する神事なのです。

ところで、「米」の収穫に感謝する意味はなんでしょう?
飽食と云う言葉が使われはじめて久しいわが国ですが、「今年も米が穫れた」と云う単純な感謝ではありません。

米は一年を象徴する穀類として、我が国日本では大切に扱われてきて、今日でもその本質に変わりはありません。

「米三年の蓄えあって国家、九年の蓄えあって太平の世」
この言葉ご存知ですか?
つまり、今年も米がとれたと云う言葉の核心には、米はあればある程好ましい、と言う意味があります。

つまり「米」は私たち日本人の大元であり、
イネに包含される意味には「命の根」自分たちの命を長らえてくれる糧、
「来年一年も命を繋ぐことができる、生きることができる」
と云う、生命維持の根源ともいえる、深淵な意味が内包されております。来年一年の食料が担保された事に感謝する、感謝出来る祭儀が新嘗祭なのです。

昨今の話題、TPPに大きく関わることなのですが、ここでは触れずにいたいと思います。

今日はこのように意義深い祭祀を奉仕できた、良き日でした。
祈ります、明日の日本が盤石であることを。

熊本の神社、新開大神宮はおはらいと神風連で有名な、隠れたパワースポットです
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